荘厳で神々しさを感じるのが青粒の魅力。
一輪生は小さなアートである。一般的に一輪生とは、その名のごとく一輪の花を飾る為に使われる小さな花瓶です。しかし九谷焼の一輪生は鮮やかな色彩を纏い、個性的な形状を成し、そして極めて美しさを追求したデザインを持ち合わせています。まさしくテーブルの上で楽しむことができる小さなアートだと言っても過言ではないと思います。この小さな一輪生というオブジェは飾る場所によって違う表情を楽しめるのも魅力です。ある時は陽が差し込む窓辺で、ある時は凛とした床の間で、そして温かい雰囲気の玄関先で、静寂の寝室でも、身近な場所でもっとアートな時間を創り出せる小さな作品たち。それが九谷焼の一輪生です。※ご紹介中の作品写真は撮影用の作品となりますので実際お求め頂く作品と色の濃淡や絵柄の配置位置などに若干違いがございますことご了承お願い致します。
九谷焼の一般的なイメージは「派手な焼物」と言われる事が多い。まさにその通りだと思います。三百五十年以上も前に、この石川県の地で焼物が作られたが鉄分を多く含む陶石を使っていたことからその性質上、真白な色の焼物にならず見栄えを良くする為に絵が描かれた事が九谷焼のルーツだと伝えられています。九谷焼は彩色することにより焼物に価値を見出したのです。以降、加賀百万石、前田家の豪放華麗な文化の中で、その加飾技術は磨き上げられ今日の絢爛豪華な作品の数々が生み出されました。そして明治期に輸出用の作品として贅沢に金を用い描かれた作品が現代の九谷焼の「派手」なイメージの基になっていることは間違いありません。もちろん九谷焼の中にも染付(藍と白)で描かれたシンプルな作品も多々あります。しかし最近になり感じるのは九谷焼の派手過ぎるくらいの彩色が持つデザインの強さ、近年、無駄はできるだけ省きシンプルを求めるデザインが多い中で、この九谷焼の無駄とも思えるくらいの加飾(かしょく)あえて過色(かしょく)とも言い替えることができる過度なまでのデザインには華やかな日本の文化を垣間見る事ができると思えるようになりました。JAPAN KUTANI、明治期、世界が賞賛したのは原色鮮やかで煌びやかな九谷、その華やかな色絵の文化こそ九谷焼が持つ最大の魅力だと思います。